敷居が高いと思われがちなExcelマクロなどのプログラミングですが、状況次第では簡単に実務で使うことが可能です。
先日、とある場所で経理業務を行っている人のパソコンの画面を眺める機会がありまして、その経理の方がExcelのマクロを使っていたので少し話を聞かせてもらうことがありました。
そのやり取りで感じたことを整理してみます。
現金の有り高をチェックするための作業を楽にする目的のExcelマクロ
記憶が曖昧なのでざっくりとした再現になりますが、その方(Aさんとします)が使っていたのはこんな感じのマクロでした。
下の画像の「入力内容の削除」と書かれているボタンをクリックするとC列のデータが削除され、削除後にC3のセルを選択状態にする。というものです。
マクロのコードはこんな感じだったと思います↓
Sub data_clear()
Range("c3:c11").ClearContents
Range("c3").Select
End Sub
ちなみに、このマクロを実行するとこんな感じになります↓
Aさんがいうには毎日の業務の中に現金残高のチェック作業があり、
「紙幣」に関しては専用の自動計数機があるので数える作業はさほど大変ではないが、「硬貨」に関しては専用の自動計数機がないためコインカウンターで手作業で集計しているとのこと。
そうして集計した実際の紙幣や硬貨の枚数を上のExcelに入力して合計金額を計算し、その合計金額と帳簿上の残高が一致しているかを確認しているようでした。
少し前にも当ブログで似たような仕組みを以前記事にしています↓
Excelマクロをはじめとしたプログラミングのメリット。命令された通りにしか動作しない。
なぜマクロを作ったのかAさんに聞いてみたところこんな回答が返ってきました。
「毎回、毎回、マウスで該当箇所を選択して削除するのが、面倒くさいから。」
「数式が入力されているセルがいくつかあり、そういったセルを間違ってマウスで選択して削除するリスクを避けたいから。」
と。
もともとは別の職員の方が使っていたExcelを引き継いで前述の作業をしていたそうですが、上記の理由から自分でマクロを作成してExcelに組み込んで使っているとのことでした。
このコメントから感じたのがExcelマクロをはじめとしたプログラミングの強み、メリットってこういうところだよなと。
今回のケースであれば、ボタンさえ押せば何度でも繰り返し確実にデータを削除してくれる点。
Aさん以外の人であってもボタンを押しさえすれば同じ作業を再現することができる点です。
これが人の手による作業の場合は間違える可能性が「0」にはなりません。
決まった範囲のセルのデータを削除するという簡単な作業でも毎日毎日その作業を繰り返していたら、いつか何かの拍子で操作を間違う可能性がないとはいえません。
一方、マクロなら何十回、何百回繰り返しても何かの拍子に間違って違うセルのデータを削除したり、違う範囲のセルを削除することがありません。絶対に。
命令された通りにしか動かないのがマクロ(プログラミング)だからです。
簡単な作業でも毎日積み重なると十分効率化になる。
Aさんが作成したマクロのコード自体は2~3行のマクロです。いわゆる「マクロの記録」でも作成できるくらいシンプルなものです。
シンプルですし「数時間かかっていた作業を数秒に短縮する。」といった大幅な効率化ではないかもしれません。
手作業であれば10秒くらいかかる作業を2秒くらいにした程度の効率化なのかもしれませんので、一般的には大したことではないと思われるでしょう。
ですが、(難しい作業でなくても)簡単な作業でもマクロやプログラミングで少しでも効率化するという姿勢は非常に大事なことだと個人的に考えています。その積み重ねが気づくと大きな効率化につながると思っています。
まとめ
実際に現場で目にした事例をもとに、状況次第では簡単なプログラミングでも効率化を実現することができる点。自分自身の効率化に関する姿勢を記事にしました。
「マクロなんてExcelの上級者がやること」と思いこみ、敷居が高く感じていることも実際にやってみると意外にそうでもなかったりします。
たかが数秒程度の効率化でも毎日、毎月、毎年と積み重なるといつかは大きな時間にかもしれませんので簡単なプログラミングから始めてみてはいかがでしょうか。
【本日の近況報告】
数年ぶりにスーツをオーダーするために採寸作業を実施。腕が少しが長めなので既製品だとどうしても丈が合わないので。
採寸作業後、車を点検に出して帰宅。車に関する知識がまったくないので、点検にどれくらいの時間がかかるのか把握しておらず思い込みで数日かかると思っていたのですが、1時間くらいで終了しました。無知って怖いなと改めて実感。
【本日の1曲】
Cherry Poppin’ Daddies/Zoot Suit Riot
スーツの採寸をしたってことで、スーツ繋がりでこちらの1曲をチョイス。