JW_CADを使って土地の財産評価を行う際の参考資料を作成する具体的方法(土地の座標データがない場合)

JW_CAD(以下、JWCAD)という無料のソフトを使用して税理士業務における土地の財産評価の際に参考となる資料の作成方法に関して備忘記録を兼ねて記事にしてみようと思います。

あくまでも個人的な方法になり、正確性に欠ける部分もあると思いますので参考程度&自己責任にて運用していただければと思います。

目次

JWCADとは図面を作成(作図)をすることができる無料のソフトウェア

JWCADとは「図面」を作成することができ、無料で使えるソフトのことで、建築・建設業界などをはじめとして幅広い業種で使用されているものになります。

税理士業務におけるJWCADの使いどころとしては(自分の場合は)土地の財産評価の際に使用する機会があります。

作成した図面についてはJWCADの機能を使うことで「長さ」や、「面積」といった情報も計算することができ、その情報を図面に記載することができます。

無料のソフトですが操作方法については書籍やネットなどで情報をたくさん得ることができるので利用する際の不明点も解決しやすいという特徴があります。

X座標とY座標のデータがあれば参考資料の作成の難易度は高くない。

今回の記事でいう土地の財産評価における参考資料とは、評価対象となる土地に関して想定整形地などを作成する資料のことで、こんな感じの資料をイメージしています↓


法務局や登記情報サービス、市区町村などで取得した測量図などの資料にX座標、Y座標の記載がある場合には、座標データを「メモ帳」に入力してJWCADでそのメモ帳に入力したデータを読み込むことで評価対象地をそっくりそのまま復元(作図)することが可能です。

X座標、Y座標とはこんな感じのやつです↓

なのでもし取り寄せ等した資料に座標のデータがある場合には財産評価の際の参考資料作成までのハードルはそこまで高くありません。

こちらの書籍に具体的な方法が紹介されていました。

X座標とY座標のデータがない場合のJWCADでの土地の評価対象地の個人的な作図方法

X座標とY座標のデータがない場合(測量図がない場合)でも、土地の形が確認できる資料(公図など)がある場合にはその資料をJWCADに取り込んで調整を加えることで「ある程度の精度」で評価対象地の作図が可能です。

京都市内などの一部の地域は公図と実際の土地の形がまったく違っていて、公図が財産評価の参考にならないというケースが多いと聞いたことがあります。そういった事情がある土地の場合にはこの方法で作成した資料は信用性が低く、むしろ誤った評価をする可能性があるので非常に危険です。そういった場合にはこの方法は使うのはやめましょう。

まずはJWCADに取り込む画像の準備を行います。

公図がある場合には公図などのPDFデータを準備してパソコンのモニターに表示し、

評価したい土地の部分をスクリーンショット(Windowsのマークのキーを押しながらShiftキーを押しながらSキーを押す。)

Windowsのソフト「ペイント」を起動して


スクリーンショットした画像を貼り付けます。(controlキー+V)で貼り付け可能。

ペイントに貼り付けたデータを形式をBMPファイル形式で保存する↓


これでJWCADに取り込むためのデータの準備が完了します。

JWCAD事前設定 縮尺の変更

JWCADの事前設定として縮尺を200分の1などにしておくと作業がしやすくなります。

1分の1などにしておくとその後の作業がやりにくいのである程度縮小しておくことをお勧めします。

縮尺の変更はJWCADのこの部分で変更可能です↓

JWCADに画像データの取り込み

縮尺の変更が完了したら、先ほど準備した公図の画像データをJWCADにドラッグアンドドロップします。

画像が問題なく取り込まれた場合にはJWCADにこういった感じで表示されます↓

このままの画像ではJWCADの機能を使って面積や距離を計算することができないので、この取り込みした画像をベースにして評価対象地を写し取っていく作業をおこないます。

JWCADのレイヤーを切り替える

JWCADで評価対象地を写し取っていく作業をおこうときにはレイヤーを切り替えておくと便利です。

レイヤーの切り替えはこの部分で行いますので①の部分で右クリックしてレイヤーを変更します。

JWCADの作図(D)→多角形機能で評価対象地を写し取る

レイヤーを変更したらJWCADの画面上部にある作図(D)をクリックして表示される「多角形(T)」をクリックする↓

クリック後に上部右側に表示された「任意」のボタンをクリックする。(もしソリッド図形にチェックが入っている場合にはチェックを外しておく)


評価対象地の輪郭(角など)を「左クリック」でクリックしてすべての輪郭をクリックし終えたらエンターキーを押して図形を確定する。

その後レイヤーの「0」を数回左クリックして非表示状態にしてみて画像が(ある程度)きれいに写し取れていたら成功です。

JWCADで写し取った評価対象地の面積を測定する

JWCADで写し取った評価対象地の面積を測定します。ここで測定した面積はあとで使用するのでメモしておくようにしましょう。

今回は測定の結果、176.260㎡だったとします↓

JWCADで写し取った「評価対象地の面積」と「実際の面積」との「倍率」を計算する

登記簿謄本などで確認できる実際の評価対象地の地積÷CADで測定した結果得られた面積を計算します。

次に上記の計算結果を√(ルート、平方根?)で計算して得られた数値を把握します。

この√(ルート、平方根?)した数値が写しとった評価対象地の地積を「実際の」評価対象地の地積に変更するための倍率になります。

この倍率でCAD上で作成した図形(写し取った評価対象地)を拡大変形します。

変形後の面積を再度CADで測定して測定した面積が実際の評価対象地の地積と近似していればOKです。

ここまでの作業が完了すればJWCAD上の図形は実際の評価対象地とかなり近い状態の図形になっているはずですので、この図形を基本図形として、財産評価に必要な想定整形地や間口距離や奥行距離などの情報を追記等していくことで参考資料を作成することができます。

実際の現地で測定した間口距離などの結果とJWCADで作成した参考資料の間口距離などを比較してみて精度の確認を行うようにしてください。

あきらかにおかしい場合には参考資料の作成を間違った方法で行なっている可能性が高いので訂正が必要になります。

まとめ

X座標、Y座標の情報がない場合にJWCADを使用して土地の財産評価の際の参考資料を作成する個人的な方法を記事にしました。

土地の財産評価については有料のソフト(〇〇名人とか)があり、そういったソフトは税理士業務に特化したつくりになっているので使い勝手としては良いのかもしれませんがJWCADでも似たような作業をすることは可能です。

冒頭でも述べましたが、あくまで個人的な作業方法であり正確性には欠ける可能性がありますのでご自身で判断していただき自己責任で参考にしていだければと思います。




【本日の近況報告】

以前こちらのブログでも修理方法を記事にしたのですが、使っているカシオの電卓がついにダメになってしまったので新しい電卓を購入しました。


カシオの電卓といえばシルバーなど無難な色が多いイメージでしたが、最近の電卓はカラーバリエーションが割と豊富になっていたので、黒で統一されたものを購入してみました。

以前使っていたものは簿記二級を勉強しはじめた際の15年以上使ってきたましたので感謝を込めて廃棄したいと思います。

【本日の1曲】

the breakaways/That’s How It Goes

モッズ系のイベントにいくと高確率で流れる1曲。
曲自体は何回も聴いていたのに、誰の何という曲かを最近になって知りました。

色褪せない60年代の名曲だと思います。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次