もうすぐ4月になり新しい年度がスタートします。この春に独立開業する税理士さんも全国にたくさんいることでしょう。
そこで今回は独立して開業税理士として活動していく場合に会計ソフト・税務ソフトを勤務時代と同じものを使い続けるのか、それとも別のソフトに変更するかについて個人的な考えを整理してみようと思います。
結論、個人的には勤務時代とは違うソフトを使ってみるほうが良いと考えています。
独立後の勤務時代とは違う税務ソフトを使ったほうがいいと考える理由
独立して開業税理士として活動することとなった場合に必ず必要となるものは会計ソフト・税務ソフトになると思います。
パソコンとこれらのソフトがないと日常の税理士業務はできないと言っても言い過ぎではないと思います。
独立すると
- 勤務時代に使っていた税務ソフトをそのまま独立しても使い続けるという選択
- 今まで使ったことがない税務ソフト等を使ってみるという選択
の2つになるかと思うのですが
個人的には使ったことがない税務ソフト等を試してみる方がいいと考えていて、現在自分自身も独立前に使ったことがなかった税務ソフトを使っています。
なぜそうしたかというと単純に
- 複数のソフトを使ったことがあるという「経験」や「ノウハウ」を増やしたかった
- いろんな会計ソフトや税務ソフトに対応できるという自分の中での「幅」のようなものを広くしておきたかった
- どの会計ソフトを使ったらよいかといった相談を受けた際に選択肢を複数持っておきたかった
という考えからです。
クラウド会計については勤務時代からデータ連携機能や自動仕訳ルールが非常に魅力的に感じていたので単純に使ってみたいという気持ちがあった一面もありましたが。
例えとして適切なものかどうか分かりませんが、スポーツなどにおいても選択肢は複数あった方が有利に働くことが多いのではないでしょうか。
野球で言えば右でも打席に立てるし、左でも打席に立てるというのは有利ですよね。(競技経験者ではないので間違っているかもしれませんが)
サッカーで言えば右足でも左足でも同じくらい自由に操れる・強く蹴ることができるというのはプレーの選択肢の幅を広げることができます。
バスケットで言えば右手も左手も同じように扱うことができるとプレーの選択肢が広がります。(どうでもいいですが私は左手でボールを扱うことが右手のそれよりも苦手です。もっというとドリブルが苦手です。かといってシュートが上手いわけでもありませんが。←誰が興味あんねん。)
もちろん野球で右の打席にしか立てないからダメというつもりは全くありません。そういうことではなく、左でも打席に立てるといった
「複数の選択肢を持っているということは他社との違い・強味になりうる」と思っています。
なので独立してからは勤務時代に触ったことがなかったソフトに積極的に触れるようにしてきました。
もちろん勤務時代と同じ税務ソフト(自分は勤務時代にICSというソフトを使っていました)を使えば操作について疑問点やストレスを感じないといったメリットがあることは分かっていましたが
上で書いたいくつかの理由からあえて使ったことがないソフトを使う選択をしました。
正解・不正解はありませんが、結果としてよかったと感じています。
創業を考えている個人事業主やフリーランスの人から会計ソフトが何がお勧めでしょうか?などと相談されることがたまに(ほんとにごくたまに。)あるのですが、こういった時には事業内容などをヒアリングしてその人に最適であろうソフトのアドバイスができます。
使ったことがないソフトはそもそも他人に勧めることはできませんし、その人にとってのメリット・デメリット、向き・不向きの説明をすることもできません。
こういった説明に「説得力」を持たせるには実際に自分が経験しておくことが一番大事なことだと思っています。
使い慣れた便利さを優先するか、便利さと以外のものを優先するかは自分で決めるといい。
勤務時代に初めて使った税務ソフトはICSというソフトでした。
会計と税務の機能が一つになっていて、会計で作成したデータが税務の方へも連動するいわゆるワンストップ的なソフトでCSVデータを会計データとしてインポートする機能もあり、仕訳の一括修正機能やコピー機能なども搭載されています。
慣れの問題もあるとは思いますが個人的には使いやすい部類のソフトでした。
残念な点としては動作が少し重い(遅い)ことと、会計データをExcel形式でエクスポートした際のデータ形式が使いにくいところでしょうか。
データ形式に関してはExcelマクロで加工して使いやすい形にすることができるといえばできるのですが、ひと手間必要になるのでこのあたりは弥生会計などからエクスポートしたデータのほうが扱いやすいですね。
以前記事にしたことがありますので興味があるかたはどうぞ↓
その後転職して別の会計事務所に移った際に会計ソフトは「弥生会計」、税務ソフトは「NTTデータの達人」というソフトになりました。
NTTデータの達人と弥生会計は完全に別のメーカーになるのでワンストップというわけにはいかず、決算書のデータを電子申告する際には弥生会計で作成した会計データを達人に連動させる処理が必要だった記憶があります。
つまりひと手間かける必要があります。
会計データに何か訂正が入った場合にはNTTデータの達人側でも訂正「後」の会計データを再度連動させる必要がありますので追加でひと手間かける必要がありました。(今は便利になっているのかもしれませんが。)
この連動し直すという作業が地味に面倒くさい。。。
その他にも弥生会計にバージョンアップやプログラムにメンテナンスが入るとNTTデータの達人も対応してバージョンアップ等をしないとうまく連動ができないこともあり、こまめにプログラムのバージョンアップをしていた記憶があります。
これも地味に面倒かつストレスを感じる作業でした。
その点、会計と税務の機能が1つのソフト内で連動しているソフトであれば会計データに訂正が入っても税務の業務メニューを起動し直すとデータが連携していくので連携し直す手間がほぼないです。
会計データの消費税の区分に訂正があった場合、訂正して再度消費税の申告書作成業務メニューを開くと消費税の計算も訂正されるといった具合です。
会計ソフトと税務ソフトが分離されているものと比べると、「便利」なので、お値段が割高になる印象があります。
反面、会計ソフトと税務ソフトが分離されているとお値段を抑えることができる印象です。
自分自身が何を優先したいかが決まるとこのあたりは自然と決まってくるのではないでしょうか。
まとめ
独立開業後の税務ソフトは勤務時代と同じものを使うのか、別のものを使うのかについて個人的な考えを記事にしました。
前回の記事でも書きましたが結局、自分で決めたらいい。という結論に着地するのですが、今回の自分の考え方が何か参考になれば幸いです。
【本日の近況報告】
久世福商店のいぶりがっこタルタルを購入。クラッカーに塗って食べると美味しいらしいです。
お花見のおつまみにいかがでしょうか?
【本日の1曲】
The View/Exorcism of Youth
直訳すると「若者の悪魔払い」。イギリスのベテランインディーロックバンド、viewの2023年にリリースされたアルバムのタイトルトラック。
かれこれ20年以上活動しているバンドですね。初めて聴いたのは大学生の頃でした。その時から今もずっと活動しているのはすごいですし、全然音楽のスタイルが変わらないですね。もちろん良い意味で。