Excelのピボットテーブルと連携することができる機能の1つに「タイムライン機能」というものがあります。
先日クライアントの方の打ち合わせの際に今回の記事で紹介するタイムライン機能を使ってみたところ、「Excelでそんなことができるんですね。」というコメントをいただいたので、税理士業務での使いどころと絡めて備忘記録がわりに記事にしておきます。
タイムライン機能はピボットテーブルのデータを日付に特化して絞り込みができる機能
タイムライン機能ってこんなやつ
タイムラインとはこんなやつで、ピボットテーブルを作成すると使うことができるようになります↓
タイムラインの「バー表示」されているところからクリックやドラッグして「月などを絞り込む」ことで結果をピボットテーブル上に表示してくれる機能です。(上の画像では2024年の4月~7月までの水道光熱費のデータを絞り込んで左側のピボットテーブルに表示している状態になります)
もともとピボットテーブルにはフィルター機能が付いているので「特定の月に絞ってデータを表示する」などの同じようなことをすることはできるのですが、タイムライン機能を使った方が直感的に作業をすることができ、従来のフィルターよりも使い勝手が良い感じがします。
タイムライン機能を使うためのにはデータをピボットテーブルで集計する必要がある。
タイムライン機能を使うには元となるデータを準備しておき、そのデータをピボットテーブルにしておく必要があります。
元となるデータはこういった感じのCSVデータが必要です。
税理士業務であれば会計ソフトからエクスポートした仕訳日記帳のデータがCSVデータの代表例ではないでしょうか。
会計ソフトなどからCSVデータをExcelにエクスポートしておき、このデータをピボットテーブルに変換しておかないとタイムライン機能を使うことができません。
ピボットテーブルに変換したらExcelの画面上部の「タイムラインの挿入」をクリックしてタイムライン機能を追加すると使うことができるようになります。
スライサーと併用するのが必須。
ここまでの作業でタイムライン機能を使うことができるようになったのですが、タイムライン機能を使う際は一緒に「スライサー機能」も使っていくとより効果的です。
個人的には必須と思っています。
スライサー機能とはデータの絞り込みを行うフィルター機能の1つで、絞り込みたいデータをマウスでクリックして直観的指定したり、絞り込みをすることができます。
こんなやつです↓
タイムライン機能の税理士業務での個人的な使いどころ
試算表の取引明細を「さくっと」確認する
試算表などの収支報告系の資料を確認する場合、「合計金額のみ」が表示されることがほとんで、その合計金額の明細を確認することができません。
金額の明細、つまり、
その合計金額が1つの取引の金額なのか、それとも2つの取引の合計なのか、何日に取引が行われたのか
といった詳細な情報は試算表上で確認することができないので、詳細を確認するためには別途、帳簿など明細が記載された資料を確認する必要がでてきます。
クラウド会計の場合、この帳簿に記載されたデータ確認をブラウザ上で行う場合にはどうしても動作がもっさりしてしまい、作業効率が落ちてしまいます。
弥生会計などのパソコンにインストールして使用する会計ソフトの場合、クラウド会計に比べて動作に軽さがあり(一部のインストール型ソフトはそうでもありませんが。)、クラウド会計についてもこれくらいサッと内容が確認できればいいのですが、現状その速度はクラウド会計にはありません。
そこで個人的な対応策として、いったんクラウド会計から取引データをExcelにエクスポートしておき、ピボットテーブルに変換し、タイムライン機能を使って取引の明細データを確認するという方法をとっています。
具体的には試算表上にこういった金額が表示されている場合で
この金額(67,490円とか41,867円)の明細を確認したい場合に、クラウド会計ソフト上で確認するのではなく、Excel上で確認する感じになります。
例えば消耗品費の合計金額67,490円の明細をタイムライン機能を使って調べたいと思った場合には、
- スライサー機能で「消耗品費」をクリックしてデータを絞り込む
- タイムライン機能で該当月である5月をクリックして日付を絞り込む
といった作業をすることでピボットテーブル上に2024年5月の消耗品費の取引データを表示することができるようになります。
結果として5月22日にモニターを49,800円で購入していることや、5月28日にモニターアームを17,690円で購入していることが確認することができました↓
タイムラインを6月に変更するとこんな感じで6月の消耗品費の取引明細を確認することができます↓
クラウド会計から取引データをエクスポートする際には取引数が多ければ多いほどエクスポートに時間がかかるので、取引数が多い場合は若干時間がかかるので面倒ではあるのですが、一度エクスポートしてしまえばExcelで内容をサクサク確認することができます。
ブラウザ上でもっさり確認するのと天秤にかけた場合、やはりExcelに一度エクスポートしたほうが作業効率はあがると感じています。
1年間や、16日~翌月15日まで、事業年度をまたぐ期間など特定の期間のデータ確認が「さくっと」できる。
試算表などの合計金額の明細を確認する以外の利用方法としては、法定調書の金額の集計の際に役に立つかもしれません。
法定調書の集計期間は1月~12月までの期間で集計しますが、法人の事業年度は1月~12月以外のことが多く、会計ソフトなどから集計する場合には、前年度のデータと当年度のデータをいったりきたりしながら金額を集計することもあるかと思います。
報酬の支払調書や不動産の使用料の支払調書などの金額を集計するときには会計ソフトから前年度と当年度のデータをエクスポートしておき、タイムライン機能で絞りこみをして確認するといった使い道もあるかもしれません。
実際に自分がやったことがないので会計ソフト上で集計するのとタイムライン機能で集計するのとどちらが効率的か判断しかねますが。。
まとめ
Excelのタイムライン機能の税理士業務での使い方を記事にしました。
要は収支報告などをしているときにお客様から「この金額って何ですか?」とか「この経費は毎月の金額と比べて今月は高額になってるけど、なんで?」という質問が来たときに取引明細の確認すると思うんですが、
そのときにクラウド会計ソフト上で確認するよりも事前にデータをExcelに吐き出しておくと確認作業が素早くできるんじゃない?ってことがいいかっただけです。
もちろん場合によってはクラウド会計ソフト上で確認する方が手っ取り早い状況もあると思いますので状況に応じて使い分けてもらうといいかと思います。
最後に、タイムライン機能を知ったのは割と最近。ということを白状して筆を置かせていただきます。
【本日の近況報告】
Googleピクセル8aのレコーダーアプリで文字起こしの機能を試してみました。
先日、会場参加型の研修(オンライン配信になぜか対応していなかったため止むを得ず)に参加した際にふと思い出して試してみました。
録音状況としては講師の人が15mくらい先のステージ上でマイクを使って話す音声を、会場の一番後ろの席から録音する形で行いました。
距離などの録音環境が良くはなかったため、センテンス丸ごと文字起こしが抜け落ちていたり、変換の精度は完璧ではありませんでしたが、音声の補助としては及第点といったところです。
多少の訂正が必要ですが、ある程度の精度でも文字にしてくれるとメモアプリにそのままコピペできるので助かります。
距離が近いともっと高い精度で文字起こしをしてくれる気配があります。スマホの音声認識機能の向上を実感しました。
【本日の1曲】
The Killers/Mr. Brightside
2004年7月にリリースされたキラーズのファーストアルバムからの1曲。説明不要のバンドの代表曲。
先日開催されたフジロックフェスティバル2024の初日のgreenステージのヘッドライナーで、無料で映像配信されていたのですが、1曲目の「Somebody Told Me」から最後の「Mr. Brightside」までの約1時間弱の圧巻のパフォーマンス。
ラスト前の「Human」からアレンジされた「Mr. Brightside」へ繋がっていったときはこのまま終わる感じか?と心配になりましたが、最後はきっちり原曲の「Mr. Brightside」へ戻ってくれて「アイ!ネ~バ~!」の大合唱で終了しました。
30代~40代のリアルタイムで聴いていた人にはたまらない時間になったはず。
この曲が入っているアルバム「Hot Fuss」をレコードで買ったのが20年前の大学生の頃。もうすぐ40歳が近づいてきています。