会計ソフトに400仕訳を5分で入力できるのは本当か?

いつもながら久しぶりの記事になってしまいました。

どこかの本だったか記事だったかで「税理士事務所の職員が1時間で会計ソフトに仕訳を入力できる限界は400だ。」みたいなことがいわれているそうです。

こういった声がある一方で、反対側には「400仕訳なんて5分で入力できる」といった声もあったりします。

今回はリハビリがてら、このやりとりに関して個人的な考えを書いてみようと思います。

会計ソフトに400仕訳を5分で入力することはできる。かも。

冒頭の、「400仕訳を5分で入力することができるのか?」に対する個人的な回答としては「データ取り込み・インポートなら400仕訳を5分で入力することができるけどチェックまでは無理。」になります。

「400仕訳なんて5分で入力できる」といった声を上げている人はおそらくこういったインポート機能を使ったデータ入力を指しているのではないかと思いますが、

キーボードを高速で連打するイメージを連想しがちな「入力」という表現よりも、上の「取り込み・インポート」という表現のほうが的確かなと感じています。

また、「入力」という作業をどこからどこまでの広さで認識しているかにもよるのかなと。

  • データ入力をすること「だけ」を指すのか、

それとも

  • データ入力後の「チェック作業まで」を指すのか

によって必要な時間が変化してくるような気がしています。

会計事務所における「(通帳などの各種資料を渡されて)これ入力しておいて!」はただ単に入力することだけではなく、

場合によっては、暗黙の了解で入力作業後のチェック作業も込みで認識されていることがあるような気がしています。

正味の「入力作業」部分については「データ取り込み・インポート」を活用することで作業時間を大幅に短縮することができる。それこそ5分で数百仕訳の入力ができると思っています。

ですが、さすがにチェック作業(例えば銀行の残高があっているか、など各種勘定科目の確認など)までは短縮するには限界があるのではないかと。

そこまで含めて5分で完了できるかと言われるとちょっと難しいかなと感じます。

このあたりは過去にも自分の考えを記事にしていて、今も基本的な考え方は変わっていません↓

会計ソフトに400仕訳を5分で入力するまでの道のりは5分ではないことが多い。

例えば

〇月〇日 現金 / 売上高 1,000円

みたいなシンプルな取引。

こういったケースであれば、レジシステムから引っこ抜いた売上データをExcelなどで加工して、1か月分や半年分、1年分の売上の仕訳データを作成することはそこまで難しいものではないので、冒頭の400仕訳を5分で入力は実現できます。

が、銀行の通帳データとなると少し話が変わってくるような気がします。

通帳のデータもExcelなどで加工して会計ソフトに取り込むことで大量のデータを短時間で入力することができますが、銀行の取引は上であげた売上などのシンプルな取引とは違って複雑になりがちです。

クラウド会計以外のソフトで記帳作業をする場合、自分は通帳のCSVデータをExcelで加工して会計ソフトに取り込むことをしますが、通帳のデータをExcelで加工する「ひな形」を作るのに最初だけどうしても時間がかかります。

クライアントからもらった通帳の摘要欄などから取引などを推測して、

こういった取引なら会計ソフトに仕訳として取り込む際にはどういった形で取り込む。

といったデータ加工のルール(クラウド会計でいうところの自動仕訳ルール)を0から作りあげていくのですが、この作業は5分ではできません

売上や仕入などの取引先がある程度固定されていて新規の取引先が少ないような会社であれば、通帳のデータを加工することはそこまで負担になりませんが、

継続取引がなく、常に新規の売上が多い会社や業種の場合は通帳に入金される際の摘要の名前が毎回違ったりするので、新規の取引がでてくる度にデータ加工のルールを追加する必要があります

こういった事前の準備作業も「込み」で考えると5分で400仕訳というのはちょっとどうなのか?と思ってしまったりします。

確かに条件が合えば5分で400仕訳を実現できるのですが。。。

freeeやマネーフォワードのデータ連携なら400仕訳を5分で入力できるか?

freeeやマネーフォワードなどのクラウド会計ソフトには銀行やクレジットカードの取引を連携するデータ連携機能がありますが、この機能を使ったなら400仕訳を5分で入力できるかどうか?

クラウド会計には自動仕訳ルールという機能があることが多く、この機能を使うと実現可能かもしれません。

freeeであれば銀行などの取引があらかじめ登録したルールに合致したら、それをユーザーが確認することなく仕訳として登録してくれ(るように設定することができ)ます。

このルールを充実させることで5分とかからずに、それこそ銀行などのデータがfreeeに連携された瞬間にデータの入力が完了しますので400仕訳を5分で実現可能です(なんならそれ以上も可能でしょう)

じゃあ、マネーフォワードはどうか?

現時点ではマネーフォワードは銀行などの取引があらかじめ登録したルールに合致した際に、ユーザー側に確認させたうえで「登録ボタン」をクリックさせることで取引を登録することになっているため、よほどクリックが高速でできる人でないと400仕訳を5分で登録するのは難しいかもしれません。

そういった意味ではfreeeなら400仕訳を5分で入力できるといってもよさそうです。(自動仕訳のルールを登録するのに最初は時間がかかりますが)

ただし、freeeにしてもマネーフォワードにしても、自動仕訳ルールを事前に登録などしておかないといけないのでこの事前作業を含めるとそれなりの時間がかかってくる側面があります。

ルールを登録して終わりではなくて、ルールがうまく運用されているかの確認や、その後メンテナンス作業も必要になりますので。

まとめ

「400仕訳なんて5分で入力できる」の声に対して、そのカラクリの推測と自分の考えを記事にしてみました。

「5分で数百仕訳の入力ができるぜ。」の裏側にはデータ加工などの事前の準備と、入力する取引がシンプルかどうか、利用する会計ソフトの種類など、いくつかの条件付きがあるような気がします。

最後に、今回のリハビリ記事をチャットGPTにまとめてもらったところ、つまりあなたはこう言いたいんでしょ?という答えが返ってきましたのでその言葉を添えて筆を置かせていただきます。

「仕組みさえ整えば可能だが、そこに至るまでの道のりが5分ではない」




【本日の近況報告】

カップ麺でこの時期になるとコンビニなどで見かける期間限定のカップラーメン「辛辛魚」の2025年バージョンを入手。

毎年チェックしていて、自分のなかでは冷やし中華バリに「季節の訪れを告げる一食」となっています。

【本日の1曲】

コニーフランシス/I’m Gonna Be Warm This Winter(思い出の冬休み)

山下達郎さんのラジオから流れてきた1曲。疾走感が気持ちいいオールディーズ。日本では弘田三枝子さんという女性の人がカバーしているようですYouTubeで聴いてみたのですが、オリジナルのほうが個人的には好みでした。

ルースターズがカバーしてたLIPSTIC ON YOUR COLLAR (カラーに口紅)もこの人の曲ということをWikipediaで見て思い出した次第です。

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